解離性同一性障害(多重人格障害)

多重人格障害は解離の一形態です。

多重人格障害患者は人格の交代や健忘をしっかりと意識することは少ないと言えます。
これは、多重人格障害が人格の統一性の障害(自我意識障害)を引き起こし、時間的にも空間的にも自己の存在が不完全で不安定になるからです。
自分の時間的、空間的同一性を確保できなければ自分を確実に意識できない、客観視できないからなのです。
つまりこれは、解離を意味します。
つまり、多重人格に於ける人格は不完全で不安定なものであり、その人格を完成度の高いものとすることはその本質より不可能なわけです。
この、不完全な人格が、ある程度まとまった行動を起こす為には、他の人格の助けを借りなければならないことは多いと言えます。
従って、適応的行動を起こす際には、人格間の疎通性、協力が必要となるため、本来人格を分散させることにより精神的安定を図ろうとする(病的防衛機制である)多重人格化に逆行することにもなり多大なエネルギーが必要となる。
このことからも、多重人格化は究極の防衛機制(病的)と言えます。



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