統合失調症

統合失調症の認知機能障害

【2】統合失調症に於ける一次記憶(ワーキングメモリー)障害

今、そこの状況に於ける「誰が何をどうして、自分はこう感じた」という五感の情報です。これには単純な情報から複雑な情報まで,様々な一時的記憶なのです。
根本的には直ぐに消去(忘れ去られる)される記憶ではありますが、統合失調症は一部分ワーキングメモリーの消去が困難となることがあり(被害的記憶、悲観的記憶、不安を惹起する記憶等は客観性の低下の為忘れ去ることが困難である)、このことによりほぼ一定量であるメモリーの殆どを占拠することとなって、新しい記憶を残すことが困難となることがあるのです。
これと一見逆のパターンと考えられるのがサヴァン症候群(記憶力がずば抜けています。)であるとも考えられるのではないでしょうか。
但し、このサヴァン症候群は二次機能や実行機能等の他の機能の重い障害を補填する為にこの機能に特化して発達した(或いは出生時〜幼少時には容量の多いワーキングメモリーが退化しなかった)とも考えられます。


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